はじめに
伊豆大島で、海や森を身近に感じながら一晩を過ごしてみたい。
そんな旅の候補になるのが、島の東部にある「海のふるさと村」です。
ここでは、建物の中で休めるロッジやバンガローのほか、自然をより近くに感じられるテント泊も選べます。
ただし、宿泊タイプによって料金や設備、必要な準備は大きく異なります。
同じ施設でも、どこに泊まるかで島の夜の過ごし方は変わる。
今回は、4つの宿泊スタイルの違いから、料金・予約方法・訪問前の準備まで、初めての方にもわかりやすくご紹介します。
① 海のふるさと村は、どんな場所?
「海のふるさと村」は、伊豆大島の泉津地区にある、海と森に囲まれた自然豊かなキャンプ施設です。
島の集落から離れた場所にあり、周囲には緑豊かな森や海岸の景色が広がっています。
この施設の特徴は、キャンプ場でありながら、必ずしも自分でテントを張る必要がないこと。
冷暖房付きのセントラルロッジやバンガロー、常設テントを利用するデッキテントサイト、自分のテントを設営するフリーテントサイトという、4つの宿泊方法が用意されています。
ただし、一般的なホテルや旅館とは利用環境が異なります。
ロッジやバンガローにも共用設備があり、宿泊タイプによっては、トイレやシャワー、調理のために屋外へ移動する必要があります。
また、周囲に商店がないため、必要な食材や持ち物の準備も大切です。
自然の中で過ごす楽しさと、キャンプ施設ならではの利用条件。
その両方を理解してから、自分に合った宿泊方法を選んでみましょう。
② 4つの宿泊タイプ、どれを選ぶ?
海のふるさと村には、4種類の宿泊スタイルがあります。
大きく分けると、建物の中で宿泊する「セントラルロッジ・バンガロー」と、屋外のテントで宿泊する「デッキテント・フリーテント」です。
どれが最も良いというわけではなく、旅行する人数やキャンプ経験、どのように過ごしたいかによって選び方が変わります。
01|セントラルロッジ — 建物の中でゆっくり休みたい人に
セントラルロッジは、冷暖房とベッドを備えた宿泊施設です。
客室は全8室で、1室あたりの定員は3〜5名。無線LANにも対応しています。
一方、客室内に専用のトイレやシャワー、洗面所はありません。これらは共同施設を利用する形となり、客室内での調理もできません。
テント泊よりも建物で休むことを優先したい方や、宿泊設備をなるべくシンプルに利用したい方に向いています。
02|バンガロー — 家族やグループで一棟を利用する
バンガローは、1棟4名定員の独立した宿泊施設です。
冷暖房、2段ベッド2台、IHコンロ付きのミニキッチンが備わっており、屋外にはテラスもあります。
建物の中で休みながら、屋外で食事を楽しむような過ごし方ができます。
ただし、こちらもシャワーやトイレは共用です。
家族や少人数のグループで、建物を一棟利用したい場合の選択肢になります。
03|デッキテントサイト — テント泊を気軽に体験したい人に
デッキテントサイトには、デッキの上にあらかじめテントが設置されています。
テントを持参したり、一から設営したりする必要がないことが特徴です。
専用のかまどやアウトドアテーブル、電源ボックス、テントマットなども備えられています。
ただし、寝具や調理用品など、必要なものがすべて含まれているわけではありません。
建物ではなくテントで眠ってみたいけれど、設営の負担は抑えたいという方に向いています。
04|フリーテントサイト — 自分の道具でキャンプを楽しむ
フリーテントサイトは、自分たちでテントを設営して宿泊するエリアです。
全10区画あり、1区画の定員は6名。各サイトには電源ボックスが設けられています。
テントを持参するほか、有料でレンタルする方法もあります。
設営や撤収、天候に合わせた道具の管理などが必要になるため、キャンプそのものを楽しみたい方に適した宿泊方法です。
4つの宿泊タイプ・料金比較
宿泊タイプ | 基本料金(1泊) | 別途料金 | 宿泊環境 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
セントラルロッジ | 大人4,500円/人 | レンタル品等 | 冷暖房・ベッド | 建物で休みたい方 |
バンガロー | 12,000円/棟 | レンタル品等 | 冷暖房・ミニキッチン | 家族・グループ |
デッキテント | 大人1,000円/人 | テント使用料4,000円/棟 | 常設テント・かまど | 手軽にテント泊をしたい方 |
フリーテント | 大人800円/人 | テントレンタル等は別料金 | 自分で設営するサイト | キャンプを楽しみたい方 |
※2026年10月13日時点の施設公式掲載料金です。
※小中学生は、セントラルロッジ3,600円/人、デッキテント500円/人、フリーテント400円/人です。
※未就学児は、セントラルロッジ1,800円/人。ただし添い寝でベッドを使用しない場合は無料です。デッキテント・フリーテントの未就学児利用料は無料です。
※バンガローは1棟料金です。定員・人数条件や、各プランの追加料金は予約時にご確認ください。
ここで特に注意したいのが、料金の単位です。
セントラルロッジは1人あたりの料金ですが、バンガローは1棟単位。デッキテントは人数分の利用料金に加えて、テント使用料が発生します。
単純に一番安い金額だけで比較せず、利用人数と必要な設備を合わせて判断することが大切です。
建物で休むか、テントで過ごすか。まずは旅のスタイルから選んでみてください。

③ 料金と予約で知っておくこと
泊まりたい宿泊タイプが決まったら、次に確認したいのが予約条件です。
海のふるさと村は、事前予約が必要な施設です。
当日になって空きがありそうだから行ってみる、という利用方法はできません。
予約はいつから、いつまで?
公式案内では、宿泊予約の受付開始は利用日の2か月前の1日からとなっています。
また、予約の締切は利用日前日の13:00です。
当日予約や、予約をしていない方の利用は受け付けていません。
予約はネットから行うため、希望する宿泊タイプと利用日を決めたら、公式サイトから最新の空き状況と予約条件を確認しましょう。
チェックイン・チェックアウトの時間
チェックインは14:00〜17:00、チェックアウトは8:30〜10:00です。
受付はセントラルロッジ内のフロントで行います。
特に注意したいのは、チェックイン時間を過ぎてしまう場合です。
施設公式では、時間内にチェックイン手続きを完了できない場合、無断キャンセル扱いとなり利用できなくなると案内しています。
伊豆大島では、船の到着後に買い出しをしてから宿泊施設へ向かう方もいるでしょう。
海のふるさと村は集落から離れているため、船の到着時刻だけでなく、買い出しと移動にかかる時間も含めて計画することが大切です。
また、テント泊の場合は、暗くなる前に設営を終えられるよう余裕を持って到着しましょう。

支払い方法について
宿泊料金は、チェックイン時に支払います。
現金のほか、施設が対応するクレジットカード、電子マネー、QRコード決済も利用できます。
なお、キャンセル条件や予約内容の変更については、利用するプランの最新案内を確認してください。
事前に料金だけを比べるのではなく、予約期限・到着時間・必要な準備まで確認しておくと、当日の予定を立てやすくなります。
④ どうやって行く?車と無料送迎
海のふるさと村は、伊豆大島の東部、泉津地区にあります。
集落から離れた場所に位置しているため、宿泊する際は施設までの移動方法を事前に決めておくことが大切です。
車で訪れる場合
元町港・岡田港・大島空港からは、いずれも車で約40分が公式の目安です。
施設へ向かう道には、道幅が狭く、カーブや勾配が続く区間があります。街灯の少ない場所もあるため、できるだけ明るい時間帯に到着できるよう計画しましょう。
また、車は施設の指定駐車場に停め、セントラルロッジの受付までは徒歩で向かいます。
キャンプサイト内へ自由に車を乗り入れることはできません。
荷物が多い場合も、この点を踏まえて準備しておきましょう。
無料送迎を利用する場合
海のふるさと村では、事前予約制の無料送迎も案内されています。
通常のアクセス案内には、路線バスで「大島公園」バス停まで移動し、そこから施設の送迎バスを利用する方法が掲載されています。
また、2026年7月からは元町港・岡田港と施設を結ぶ直行送迎サービスも開始されました。
ただし、現在公式サイトで確認できる港直行便の時刻表は2026年9月30日までのものです。
10月以降も港から直接送迎してもらえるとは限らないため、宿泊予約時に最新の運行状況を確認してください。
送迎には人数や荷物の制限があり、天候や道路状況によって変更・運休となる場合もあります。
車でも送迎でも、まずはチェックイン時間に余裕を持って到着できる方法を選ぶことが大切です。
島内観光と宿泊を組み合わせる場合は、ほかの予定を詰め込みすぎない旅行計画も考えてみましょう。
⑤ 泊まる前に、何を準備すればいい?
海のふるさと村では、宿泊タイプによって必要な準備が異なります。
ロッジやバンガローに泊まる場合でも、一般的なホテルと同じように、食事や日用品がすべて用意されているわけではありません。
出発前には、特に次の4つを確認しておきましょう。
FOOD|食材・飲み物
施設の周辺には商店がありません。
食堂も現在は利用休止中のため、食事を自分たちで用意する場合は、食材や飲み物を事前に購入しておくことが基本です。
施設には一部の食品や飲料の自動販売機がありますが、必要なものをすべて現地で購入できるわけではありません。
特に調味料の販売は行っていないため、自炊する方は忘れずに準備しましょう。
GEAR|キャンプ用品
施設では、テントやランタン、調理器具、毛布などの有料レンタルが用意されています。
2026年7月からはレンタル用品も拡充され、以前より荷物を減らして宿泊しやすくなりました。
ただし、必要なものは宿泊タイプによって異なります。
予約時に備え付け設備とレンタル品を確認し、持参するものを整理しておくと安心です。
NIGHT|夜間の備え
海のふるさと村の周辺には、人工の明かりが少ない場所があります。
夜間に共同のトイレやシャワーへ移動することも考え、懐中電灯やヘッドライトを用意しておきましょう。
テントを利用する場合は、日没前に設営を終えるようにします。
また、施設では22:30が消灯時間となっており、テントサイトでは翌朝6:00まで静かに過ごすルールがあります。
周囲の宿泊者にも配慮しながら、夜の時間を楽しみましょう。
SAFETY|天候・施設ルール
自然に囲まれた施設のため、強風や大雨、台風などによって利用条件が変わることがあります。
荒天時は施設からの案内を最優先し、無理なキャンプは避けましょう。
また、2026年10月10日付のお知らせでは、キャンプ場と出会いの広場・ロックガーデンを結ぶ「ふれあい橋」が、老朽化のため当面通行禁止と発表されています。
解除時期は未定のため、散策する際も現地の通行規制に従ってください。
なお、携帯電話の通信環境は場所や回線によって異なります。
2026年7月には、セントラルロッジ1階でNTTドコモの電波が利用できるようになったと案内されていますが、施設内のどこでも安定して通話できるとは限りません。
必要な連絡や情報の確認は、到着前に済ませておくと安心です。

こうした準備は、自然の中で過ごす楽しみを減らすためのものではありません。
必要なことを先に済ませておくことで、到着してからの時間をゆっくり楽しめるようになります。
⑥ 島の夜を、どんなふうに過ごす?
海のふるさと村では、建物の中で休むことも、テントの中で眠ることもできます。
選ぶ宿泊タイプによって、自然との距離感や過ごし方は少しずつ変わります。
夕方、周囲の景色が暗くなっていく。
食事を終えたら、風の音や森の気配を感じながら、静かな時間を過ごす。
天候や月明かりの条件が良ければ、星空を眺める楽しみもあります。
ただし、星が必ず見えるわけではありません。
伊豆大島での星の見え方や観察条件について詳しく知りたい方は、別の記事で紹介しています。
大切なのは、無理に本格的なキャンプをしようとすることではありません。
建物でゆっくり休むのも、テントで自然を近くに感じるのも、それぞれの楽しみ方です。
島の夜を楽しむ方法は、一つではない。
自分に合った泊まり方で、いつもとは違う夜を過ごす。
海のふるさと村での宿泊を考えている方は、まず希望する宿泊タイプと日程から確認してみてください。
