はじめに
伊豆大島の北東部にある「東京都立大島公園」。
ここには、入園無料で楽しめる動物園と、数多くの品種が集められた椿園があります。
しかし、この公園の面白さは、無料で動物や花を見られることだけではありません。
動物園には島の溶岩地形や自然林が生かされ、椿園では、普段は見過ごしてしまうような花の色や形の違いに出会えます。
せっかく訪れるなら、何があるかを知るだけでなく、何に目を向けると面白いのかも知っておきたいところ。
今回は、大島公園ならではの見どころと、旅行の時間や季節に合わせた楽しみ方をご紹介します。
① 大島公園は、動物園と椿園のどちらから楽しむ?
大島公園を訪れるなら、まず知っておきたいのが、動物園と椿園、それぞれの特徴です。
公園は大きく複数の地区に分かれていますが、一般的な観光で立ち寄りやすいのは、動物園・椿園・椿資料館がある「大島公園地区」です。
動物園では、ワオキツネザルやバーバリーシープ、鳥類など、さまざまな動物を観察できます。
一方、椿園は多彩な椿の品種を集めた場所。特に花の咲く季節には、色や形の異なる椿を見比べながら歩く楽しみがあります。
動物をじっくり見たいなら動物園を中心に。椿の開花時期なら、椿園で過ごす時間を多めに取るのもよいでしょう。
もちろん、時間に余裕があれば両方を楽しむこともできます。
ただし、広い大島公園のすべてを一度に回ろうとする必要はありません。
何を見たいかによって、過ごし方を選ぶ。
それが、大島公園を無理なく楽しむ最初のポイントです。
② 動物園の面白さは、動物だけじゃない
大島公園動物園の特徴は、動物の種類だけではありません。
注目したいのは、伊豆大島の自然の地形や植物を、そのまま展示環境に生かしていることです。
特にその特徴がよくわかるのが「サル島」と呼ばれる展示場です。
ここでは、過去の噴火で生まれた自然の溶岩地形を利用し、ワオキツネザルとバーバリーシープが飼育されています。
ワオキツネザルは、白と黒の輪模様がある長い尾が特徴的な動物。
バーバリーシープは、岩場や急な斜面などにも適応した、ウシ科の動物です。
サル島では、こうした動物たちを、起伏のある岩場を含めた環境の中で観察できます。
さらに、展示場の中央には約60mの「サル島橋」が設けられており、さまざまな方向から動物たちの様子を見ることができます。
平坦な展示場ではなく、溶岩の起伏を生かした空間だからこそ、動物だけでなく、その周囲の地形にも目を向けてみてください。

もう一つ注目したいのが「フライングケージ」です。
こちらは、大島の自然林をそのまま囲った大型のウォークインケージ。
ヤブツバキやスダジイなどが生える林のエリアと、池や平地のエリアがあり、カラスバトやオシドリ、フラミンゴなどが飼育されています。
島にもともとある植物を眺めながら、その環境に暮らす鳥たちを観察できるのが特徴です。
園内には、このほかにもレッサーパンダなどの動物がいます。ただし、動物の体調や展示状況によって見られない場合もあるため、訪問時の案内を確認しましょう。
ここでは、動物を見るだけでなく、動物が暮らす展示環境にも目を向けたい。
それが、大島公園動物園ならではの楽しみ方です。
③ 椿園では、花の何を見ればいい?
動物園と並ぶ大島公園の大きな見どころが「椿園」です。
伊豆大島といえば椿を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、ここでは、その椿の多様さを実際に見ることができます。
東京都大島支庁の公式情報によると、椿園には約1,000品種・3,200本の園芸品種と、約5,000本のヤブツバキがあります。
園内はテーマごとに9つのゾーンに分かれており、2016年には国際ツバキ協会から「国際優秀つばき園」に認定されました。
では、実際に椿園を歩くとき、何を見ればよいのでしょうか。
まず注目したいのは、花の色です。
椿には赤や白、桃色など、さまざまな花色があります。同じ赤でも、深みのある色から明るい色まで、品種によって印象が異なります。
次に見てほしいのが、花の形です。
花びらがすっきりと並ぶ一重咲きもあれば、幾重にも重なって咲く八重咲きもあります。
一輪ずつ見比べてみると、同じ椿とは思えないほど表情が違うことに気づきます。
さらに、花だけでなく、葉の模様や形、枝の伸び方に特徴がある品種もあります。

椿園の花期はおおむね11月から4月。特に2月から3月が見頃の中心とされています。
ただし、品種ごとに咲く時期は異なり、天候によっても開花状況は変わります。
そのため、椿を目的に訪れる場合は、事前に最新の開花状況を確認しておくと安心です。
また、園内には椿資料館もあります。花を眺めるだけでなく、椿についてさらに知りたい方は、こちらも訪問先の候補にしてみてください。
なお、伊豆大島には「椿花ガーデン」という別の施設もあります。
大島公園とは異なる楽しみ方ができるため、花を中心に島を巡りたい場合は、あわせてチェックしてみるのもおすすめです。
大島公園の椿園では、ただ多くの花を見るのではなく、一輪ずつの違いを楽しんでみてください。
同じ椿でも、色も形も違う。その違いに気づくと、椿園を歩く時間がもっと面白くなります。
④ どこまで見る?時間と季節で選ぶ回り方
大島公園は、訪れる季節や使える時間によって、楽しみ方を変えられる場所です。
動物園だけを見て回ることも、椿園と組み合わせることもできます。
ただし、旅行の予定を詰め込みすぎる必要はありません。
ここでは、動物園・椿園のある大島公園地区を対象に、3つの過ごし方をご紹介します。
SHORT|短時間なら、見たい施設を一つ選ぶ
滞在時間:約30〜45分
ほかの観光スポットも巡る予定なら、動物園か椿園のどちらかを優先する方法があります。
動物が好きならサル島を中心に。椿の開花時期なら、気になる花を見比べながら椿園を歩く。
すべてを見ようとせず、目的を一つに絞る過ごし方です。
STANDARD|動物園と椿園を組み合わせる
滞在時間:約60〜90分
時間に余裕があれば、動物園と椿園の両方を楽しむプランがおすすめです。
まず動物園で、溶岩の起伏を生かしたサル島やフライングケージを見学。
その後、椿園で花や園内の植物を眺めながら散策します。
ただし、動物をじっくり観察したり、お子さまと一緒に歩いたりする場合は、さらに時間が必要になることもあります。
SEASONAL|椿の季節をじっくり楽しむ
滞在時間:約90〜120分
椿の開花期に訪れるなら、椿園で過ごす時間を多めに取るのもよいでしょう。
色や形の異なる花を見比べ、気になる品種があれば少し立ち止まって観察する。
余裕があれば椿資料館にも立ち寄り、その後、動物園へ向かう流れです。

※上記の時間は、blissが旅行計画を考えるために設定した目安であり、施設が公表する標準見学時間ではありません。歩く速さや見学範囲、混雑状況によって変わります。
なお、椿園の花期はおおむね11月から4月で、2月から3月が見頃の中心とされています。
椿の花が少ない季節でも、動物園や園内の自然を楽しむことはできます。季節によって、どちらを優先するか決めるとよいでしょう。
大島公園を含めて島全体の旅程を考えたい方は、1泊2日のモデルコースも参考にしてみてください。
⑤ 営業時間・料金・アクセスで知っておくこと
大島公園を訪れる前に確認しておきたいのが、施設ごとの利用時間です。
公園自体は通年開園していますが、動物園や椿資料館などには、それぞれ利用できる時間が決められています。
大島公園の基本情報
項目 | 内容 |
|---|---|
施設名 | 東京都立大島公園 |
所在地 | 東京都大島町泉津 |
入園料 | 無料 |
動物園 | 9:00〜17:00 |
椿資料館 | 8:30〜16:30 |
椿園展示温室 | 椿まつり期間中 9:00〜16:00 |
休園日 | 原則年中無休 |
駐車場 | 公園全体で110台 |
最寄りバス停 | 大島公園 |
※東京都の公式案内に基づく情報です。臨時の休止や利用制限がある場合は、最新の施設案内を優先してください。
車で訪れる場合
大島公園は伊豆大島の北東部、泉津地区に位置しています。
元町港や岡田港から車で向かうことができますが、当日の道路状況や出発地点によって移動時間は変わります。
駐車場について、東京都は公園全体で110台と案内しています。
これは動物園の入口だけに110台分あるという意味ではありません。訪問する施設に合わせて、現地の駐車場案内を確認しましょう。
バスで訪れる場合
レンタカーを利用しない場合も、路線バスで大島公園へ向かうことができます。
大島バスの公園線を利用し、「大島公園」バス停で下車します。
ただし、島内の路線バスは運行時期によって時刻表が変更されるため、訪問前に往路と復路の両方を確認しておくことが重要です。
特に帰りの船に乗る予定がある場合は、バスの接続時間も含めて余裕を持った計画にしましょう。
最新の運行情報は、大島バス公式サイトで確認できます。
動物園を利用するときの注意
園内では、動物の体調などにより展示が変更・中止される場合があります。
また、動物へのエサやりは、すべての場所で自由にできるわけではありません。
施設が認めている特定のエリア・方法で可能な場合もあるため、必ず当日の案内や飼育スタッフの指示に従ってください。
植物を傷つけたり、立入禁止の場所へ入ったりせず、園内のルールを守って楽しみましょう。
大切なのは、公園が開いている時間と、各施設を利用できる時間を混同しないこと。
訪問前に少し確認しておくだけで、当日の予定を組みやすくなります。
⑥ 大島公園で、島の自然をもう少し近くに感じる
大島公園には、入園無料の動物園と、多彩な椿を楽しめる椿園があります。
けれど、この場所の魅力は、動物や花の種類が多いことだけではありません。
動物園では、火山島ならではの溶岩地形や自然林が展示環境に生かされています。
椿園では、同じ椿でも一輪ずつ色や形が違うことに気づけます。
何も知らずに歩いても楽しめる場所ですが、少し視点を変えるだけで、見えてくるものが増えていきます。
そして、すべてを一度に見て回る必要もありません。
動物をじっくり観察する日があってもいい。椿の花を一輪ずつ見比べる時間があってもいい。
大島公園は、動物と花を見る場所であり、伊豆大島の自然を少し近くに感じる場所でもあります。
自分の旅に合った過ごし方で、楽しんでみてください。
伊豆大島には、このほかにも自然の成り立ちや島の暮らしを感じられる場所があります。
