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伊豆大島の島のりとは?冬の岩場で採れる海苔とはんばのりとの違い

伊豆大島の島のりとは?冬の岩場で採れる海苔とはんばのりとの違い

2026.09.21伊豆大島グルメ島のりはんばのり伊豆大島冬の伊豆大島島の食文化伊豆大島特産品特産品執筆:株式会社bliss(レンタカー事業)

はじめに|冬の海から、一枚の海苔ができるまで

冬の伊豆大島。

海岸の岩場では、

夏とは少し違う景色が見られることがあります。

岩に付いた海苔を、

人が少しずつ採っていく。

それが、

大島で

「島のり」

と呼ばれている冬の味です。

でも、

岩場から採れば、

すぐに一枚の海苔になるわけではありません。

洗う。

細かな異物を取る。

刻む。

水に溶く。

簾に広げる。

そして、

天日で乾かす。

採って終わりではない。

島のりは、そこからが長い。

スーパーや商店で見る一枚の海苔の前には、

冬の海と、

人の手仕事があります。

今回は、

伊豆大島の島のりが、

岩場から食卓へ届くまでをたどります。

そして後半では、

冬の大島で一緒に名前を聞くことのある

「はんばのり」

との違いも紹介します。


1|伊豆大島の「島のり」とは?

伊豆大島で

「島のり」

と呼ばれているのは、

冬の海岸の岩場で採取され、

人の手で加工される天然の海苔です。

養殖された海苔が、

大量に一年中並ぶのとは少し違います。

冬になると、

大島の海岸の岩場で島のりが見られるようになり、

採れたものが加工され、

島内のスーパーや商店、

飲食店などで出会えることがあります。

ただし、

天然のものなので、

いつでも同じ量が採れるわけではありません。

さらに、

岩場から採ったあとにも、

一枚の海苔になるまで、

たくさんの作業があります。

そのため、

冬になれば必ず買えるものではありません。

旅行中に、

たまたま店先で見つける。

飲食店のメニューに

「島のり」

という文字を見つける。

それくらいの距離感で探す方が、

島の季節の味として楽しめると思います。

そして、

島のりの面白さは、

海から採れることだけではありません。

**岩場から採ったあとに、

もう一つ長い仕事が始まります。**


2|島のりは、岩場で採って終わりではない

岩場についている島のりは、

その場で摘んで、

そのまま一枚の海苔になるわけではありません。

まず、

岩場から採る。

島のりは、

素手だけでは取りにくいため、

道具を使いながら、

少しずつ採っていきます。

でも、

海から持ち帰った段階では、

まだ完成にはほど遠い状態です。

採取した島のりには、

細かな岩や、

海の中の異物などが混ざっています。

そこで、

まずよく洗う。

そして、

混ざっているものを、

一つずつ取り除く。

きれいにした島のりを、

今度は細かく刻みます。

さらに、

水に溶いて、

海苔簾の上へ、

できるだけ均一になるよう広げていく。

そして、

最後に、

天日で乾かす。

ここまで来て、

ようやく、

私たちが知っている

一枚の島のり

になります。

工程だけ並べると、

とてもシンプルに見えるかもしれません。

でも、

そのほとんどに、

人の手が入っています。

採る。

洗う。

取る。

刻む。

広げる。

干す。

スーパーの棚に並んでいる一枚を見ると、

完成した海苔だけが見えます。

でも、

その一枚の前には、

岩場で採る時間も、

細かな異物を取り除く時間も、

簾へ広げる時間もあります。

採って終わりではない。

島のりは、そこからが長い。

この手間を知ってから見ると、

一枚の島のりも、

少し違って見えてきます。


3|なぜ島のりは「冬の味」なのか

島のりは、

一年中、

同じように出会える食べ物ではありません。

大島では冬になると、

強い西風が吹き、

海が荒れる日も増えます。

その季節になると、

海岸の岩場では、

島のりなどの海藻が見られるようになります。

だから、

島のりは、

大島では

冬を感じる食べ物の一つ

でもあります。

ただし、

ここで誤解したくないのは、

西風が吹けば海苔ができる。

という単純な話ではないことです。

「荒れれば荒れるほどいい海苔になる」

という意味でもありません。

あくまで、

冬の強い風と荒れる海の季節に、

岩場で島のりと出会う時期が重なっている。

ということです。

そして、

冬の海が荒れているときに、

旅行者が岩場へ島のりを見に行く必要もありません。

島のりとの出会い方は、

もっと身近です。

スーパー。

商店。

飲食店。

そこで、

「今年も島のりが出てきた。」

という形で、

冬の大島を感じる。

それで十分です。

**島のりは、

冬の海と一緒にやってくる季節の味。**

そう覚えておくと、

冬の大島で探すものが、

一つ増えます。


大島の冬に吹く強い西寄りの風は、島で「ニシ」と呼ばれています。実はこの風、大島の近くで突然生まれるのではなく、本州の山を回り込んで島まで届いています。

「冬の大島に吹く“ニシ”の正体を知る」


4|島のりは、シンプルに食べる

岩場から採り、

洗い、

細かな異物を取り除き、

刻み、

簾に広げ、

天日で乾かす。

そこまでして、

ようやく一枚になった島のり。

食べるときは、

意外なほどシンプルです。

軽く炙って、

そのまま食べる。

おにぎりに巻く。

味噌汁へ入れる。

明日葉のおひたしへ、

細かく揉んでかける。

島のりは、

何か特別な料理へ変えるというより、

海苔そのものの香りや食感を楽しむ。

そんな食べ方が似合います。

少し火を入れると、

磯の香りが立つ。

噛めば、

厚みのある食感と、

海苔のうま味を感じる。

冬の岩場から始まったものが、

今度は、

島の食卓へ届く。

**冬の海が、

島の食卓へ。**

一枚の島のりを見ると、

完成品だけでは分からなかった、

海と手仕事が、

少し見えてきます。


島のりと一緒に食卓へ並ぶことのある明日葉も、大島では昔から身近な食材です。「明日葉って、そもそもどんな植物?」という方はこちらの記事で詳しく紹介しています。

「大島の人にとっての明日葉を知る」



5|「はんばのり」は、島のりとは別の海藻

ここで、

一つだけ間違えやすいものがあります。

冬の大島では、

島のりと一緒に、

「はんばのり」

という名前を聞くことがあります。

どちらにも、

「のり」

という言葉が付いています。

そのため、

島のりの種類の一つ、

あるいは、

呼び方が違うだけのように感じるかもしれません。

でも、

島のりと、はんばのりは別の海藻です。

東京都の漁業権でも、

いわのり

と

はばのり

は別々の対象として扱われています。

はんばのりは、

分類上も島のりとして扱われる海苔とは異なる、

褐藻類の海藻です。

ただし、

難しい分類を覚える必要はありません。

旅行者として知っておきたいのは、

**名前は似ている。

でも、別物。**

それだけで十分です。

そして、

はんばのりにも、

大島ならではの食べ方があります。

例えば、

明日葉と一緒に、

椿油やごま油で炒める。

ご飯と合わせる。

炊き込みご飯にする。

ここでは、

はんばのり × 明日葉 × 椿油

という、

大島の食材同士が一皿の中でつながります。

島のりとは違う食材だけれど、

どちらも、

冬の海から島の食卓へ届くもの。

同じ季節に出会える、

別々の大島の味です。


ここで登場する椿油も、単なるお土産ではなく、昔から大島の暮らしに深く関わってきたものです。椿と島の生活の歴史はこちらで紹介しています。

「伊豆大島の椿油と、島の暮らしを知る」



岩場で見つけても、旅行者は採らない

冬の岩場に、

海藻が付いているのを見つけると、

「少しなら採ってもいいのかな?」

と思うかもしれません。

でも、

旅行者が自由に採ってよいものではありません。

大島沿岸では、

いわのり

はばのり

などが、

現在の共同漁業権の対象となっています。

つまり、

見ることと、

採ることは別です。

**見る。

買う。
食べる。**

旅行者は、

この楽しみ方で十分です。

島のりやはんばのりを探すために、

荒れた岩場へ入る必要もありません。

スーパーや商店、

飲食店で、

その冬の味と出会ってください。


6|冬の大島で見つけたら、その季節に出会えた味

島のりは、

天然のものです。

しかも、

採ったあとにも、

たくさんの手仕事があります。

だから、

冬に大島へ来れば、

必ず買えるものではありません。

「この店に行けば絶対にある」

というものでもありません。

だからこそ、

少し探してみる。

スーパーへ入ったら、

乾物や海産物の棚を見る。

飲食店へ入ったら、

メニューの中に、

「島のり」

「はんば」

という文字がないか見てみる。

分からなければ、

店の人に、

「今日、島のりありますか?」

と聞いてみる。

それくらいでいいと思います。

夏の伊豆大島では、

海は、

泳ぐ場所。

眺める場所。

そんな印象が強いかもしれません。

でも冬になると、

その海から、

島の食卓へ届くものがあります。

岩場から採る。

洗う。

細かな異物を取る。

刻む。

簾へ広げる。

一枚ずつ干す。

そうして作られる、

島のり。

そして、

同じ冬の海には、

島のりとは別の海藻、

はんばのりもある。

季節を知ると、

旅の途中で、

探したくなるものが増えていきます。

**冬の大島で島のりを見つけたら、

それは、その冬に出会えた島の味です。**


島のり以外にも、伊豆大島には季節や暮らしと結びついた食があります。「大島へ行ったら何を食べよう?」という方は、島の食をまとめた記事もあわせてどうぞ。

「伊豆大島で食べたい島の味を探す」


季節を知ると、大島で探すものが増える。

伊豆大島では、
同じ場所を走っていても、
季節によって見えるもの、
食べられるものが変わります。

冬の島のりも、
その一つです。

「今の季節は何がおいしい?」

「この時期なら、どこを巡ろう?」

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参考資料

伊豆大島ナビ|島のり・はんばのり
→ 採取・加工・食べ方・冬の島のり。

東京都|共同漁業権・遊漁に関する案内
→ 大島沿岸のいわのり・はばのり、採取ルール。

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